一般的に太陽が隠れている曇りの日は紫外線が弱いと考えられています
実際に日差しが弱くなりますし、日焼け止めを塗らない、帽子や日傘を使用しないことも少なくありません
曇り=紫外線が少ないという認識が広がっています
国際的な紫外線評価基準として、WHOはUVI(UV Index)を定義しています。
引用:WHO – Ultraviolet radiation
・雲は紫外線を完全に遮らない
・薄い雲ではほとんど減少しない
・雲による散乱で紫外線が増える場合がある
気象観測データでは、曇りの日でも晴天時の50~80%程度の紫外線が地表に到達することが確認されています
引用:WHO – Radiation: The ultraviolet (UV) index
つまり曇りの日でも紫外線は大きく減るわけではない
条件によってはほぼ晴天と同じレベルになるということです
このことから、WHOは天候に関係なく紫外線対策を行うことを推奨しています
紫外線が人体に与える影響は、皮膚科学では 紅斑(erythema)反応 を使って測定されます。紅斑とは、紫外線によって皮膚が赤くなる炎症反応です。MEDという指標で評価します。
・一定量の紫外線を皮膚に照射
・数時間後に炎症開始
・24時間後に紅斑ピーク
曇りでも紫外線量は十分あり、時間は多少伸びるが皮膚ダメージは発生する
ことが実験的に示されています
曇りの日でも紫外線が届くのは、雲が紫外線を完全には遮らないためです。
- 薄い雲では紫外線を遮らないため雲なしとほぼ変わらない
- 紫外線の中にあるUVA(長波)はエネルギーが高く雲を通り抜けやすい
- 雲の水滴で光が散乱することで紫外線量が変わりうる
雲は光を完全に遮る壁というより、薄いカーテンのような存在で、日差しが弱く感じても紫外線はその間を通り抜けてしまうのです。
曇りの日の紫外線量は、雲の種類や厚さによって大きく変わります。
薄い雲(巻雲など) → 紫外線の多くが透過
厚い雲(積乱雲など) → 紫外線は大きく減少
また、紫外線量は次の要因にも影響されます。
季節
時間帯(太陽高度)
地理的位置(緯度・標高)
つまり、曇りの日の紫外線量は一定ではありません。
紫外線による皮膚反応は、肌のタイプによって大きく異なります。
皮膚科学では Fitzpatrick skin type という分類があり、
色白の人 → 紫外線に敏感
肌の色が濃い人 → 紫外線耐性が高い
同じ紫外線量でも、日焼けまでの時間は個人差があります。
紫外線研究の多くは、
特定の地域
特定の季節
限られた被験者数
で行われています
そのため、結果はすべての地域や条件に完全に当てはまるとは限りません。
紫外線による皮膚ダメージは、皮膚科学では 最小紅斑量(MED) という指標で評価されます。
MEDとは、皮膚に赤み(紅斑)を引き起こす最小の紫外線量です。
紫外線研究では、紫外線量をこのMEDに換算することで、どれくらいの時間で皮膚ダメージが起こるかを推定できます。
例えば、紫外線量が高い晴天の日では、肌タイプによっては20分程度の曝露で1 MEDに達することがあります。
一方、曇りの日は紫外線量が減少するため、同じ紫外線量に達するまでの時間は30〜40分程度に延びる可能性があります。
つまり、曇りの日は紫外線が完全になくなるわけではなく、必要な曝露時間が少し長くなるだけと考えられます。
統計データでは、雲は紫外線を完全には遮らず、曇りの日でも一定量の紫外線が地表に到達することが示されています。
また、皮膚科学の研究では、紫外線が一定量に達すると皮膚の紅斑(炎症)が発生することが確認されています。
これらの研究を合わせて考えると、曇りの日でも紫外線による皮膚ダメージが起こる可能性は十分にあると考えられます。
ただし、紫外線量は雲の厚さや季節、時間帯、個人の皮膚タイプなどの条件によって変化するため、すべての状況で同じリスクになるとは限りません。
そのため現時点では、曇りの日でも紫外線対策は必要である可能性が高いと考えるのが妥当です。